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TPOに合わせて着たいスーツとは

社会人になるとビジネスシーンやイベントなど、スーツを着る機会が増えます。TPOに合わせたスーツの種類や着こなしについて紹介しましょう。

スーツの種類を知る

スーツの種類はシーン別やスタイル別などさまざまですが、大大きく分けるとシングルスーツとダブルスーツの2種類で、ボタンの配列が異なります。

シングルスーツ(ブレステッドスーツ)

ジャケットのボタンが縦一列に並んでいるスーツです。ビジネススーツとして知られています。

シングルスーツの由来は1860年に誕生し、貴族階級の普段着としてカジュアルに利用されてきました。その後、軍服からコート、フォーマルウェアになり、今でいうスーツになります。

フォーマルやビジネス、カントリーなどさまざまなシーンで着こなせるのが特徴。一般的には2つボタンが主流です。他にも3つボタンスーツ、段返り3つボタンスーツなどがあります。ボタンの数は特に決まりはなく、国や時代のトレンドによって様々です。

ダブルスーツ(ブレステッドスーツ)

フロントボタンが二列に並んでいます。ボタンの数は4~6個が一般的で、デザインによって数が変わります。ジャケットを前に重ねる部分が大きく重ね合わせて閉めるタイプで、フォーマルな印象があります。

ダブルスーツの由来は、馬に乗る軍人や船乗りの防寒具として機能的に作られたオーバーコートがはじまりです。スタイリッシュに着こなすというよりかは、実用性や機能性を高めるためのデザインでした。歴史的にはカジュアルな着こなしですが、現在はシングルスーツ同様にフォーマルやビジネス、タウンのシーンに合わせて着こなします。

シングルとダブルのイメージ

歴史的にみるとシングルとダブルのスーツに、違いはあまりありません。しかし時代別のトレンドにより、一般的に抱かれるイメージがあるようです。

年配者はダブル

スーツを着るのに年齢は関係ありません。しかし、ダブルスーツは年配の男性が着こなすイメージがあります。ダブルスーツのシルエットには、重厚があるからでしょう。また格式が高いという印象から、徐々に年配の方が着ける傾向になったのかもしれません。

細めの人はシングル

もちろん、体型によるスーツのマナーはありません。痩せた人が体格を良く見せるため、シングルスーツを着こなす傾向があるようです。一方で太った人は、ピッタリサイズのダブルスーツを着こなし、フロント部分をスッキリと見せています。

こうしてみると年配の男性はスーツといえば、ダブルスーツと思い込みがあるようです。若者にはあまり縁のないダブルスーツ。

最近ではクラシックブームがおしゃれな男性の中で流行りはじめ、英国調のダブルスーツを着こなす男性も増えています。今までの「おじさんぽい」イメージは払拭されるでしょう。スーツを選ぶ際はイメージではなく、その時のトレンドをおさえておくといいでしょう。

【シーン別】スーツの種類と選び方

職場や結婚式、パーティーなどさまざまなシーンに合わせたスーツの種類や選び方についてみていきましょう。

オフィスワークのスーツ

スーツ着用の職場では、シングルスーツの無地が良いでしょう。色は紺色やグレー色が、重くならずシックに着こなせます。ストライプ柄に挑戦したい方は、ストライプの太さに注意が必要です。ストライプが細いものを選び、シャツはシンプルな無地を合わせるといいでしょう。ストライプが太かったりデザインのあるシャツを合わせたりすると主張が強くなり、浮いてしまいます。また、重要な商談や接客がある場合には、ストライプ柄は、信頼感に欠けるため避ける方が好ましいでしょう。

オフィスカジュアルとは

最近増えているオフィスカジュアルは、ビジネススーツほど固くなくカジュアルになりすぎない服装を指します。その場合は、ジャケットとパンツを合わせたスタイルがおすすめです。ネイビーのテーラージャケットとシャツ、スリムパンツを合わせたベーシックスタイルが良いでしょう。

友人の結婚式に参加するスーツ

結婚式の主役は、新郎新婦です。派手すぎたりカジュアルすぎたりすると、主役に対して失礼にあたります。結婚式のスーツは明確なルールはなく「平服でお越しください」というアナウンスが一般的です。冠婚葬祭に着用可能な、無地の真黒なブラックスーツや濃紺・ダークグレーのスーツが結婚式にはぴったりでしょう。シルバーやホワイトのネクタイを合わせたり、ベストを合わせたりしてフォーマルな着こなしを心がけてください。二次会から参加する方は、デザインの入ったスーツやジャケットとパンツスタイルなど、自由度は高めです。

格式の高い結婚式ではドレスコードに指定があるため、事前に準備が必要です。ホワイトタイはモーニングコートの着用を指し、ブラックタイはタキシード着用を指します。

モーニングコートとは

モーニングコートは、昼に着用する正礼装です。ウエストから袖にかけて、斜めにカットが入っている、デザインが特徴です。ブロード素材で白無地のクレリックシャツとベスト、シルバーやライドグレーのネクタイを合わせます。ポケットチーフとカフスリング、手袋のアイテムも必要です。

タキシードとは

タキシードは、夜に着用する正礼装です。本来は18時以降に着用する夜会服とされています。ジャケットはシングルのショールカラーや襟元が尖ったピークドラペルが特徴です。ボタンは1つで、お尻まで隠れる着丈が正しい着こなしです。黒の蝶ネクタイや白のポケットチーフなどアイテムを合わせて粋な着こなしをしましょう。タキシードの着こなしはさまざまなバリエーションがありますが、結婚式ではスタンダードな黒がおすすめです。

スーツを着こなすには“清潔感”も大切

しっかりTPOに合わせたスーツでも、着こなしがだらしないと台無しです。シーンに合わせてスーツ選びをするのも大切ですが、清潔感のある着こなしをしましょう。

脱いだらハンガーにかける

仕事中や会食中にスーツを脱ぐ時は、なるべくハンガーに吊るすようにしましょう。吊るす理由は、スーツの形を保つためです。シワのついたスーツで翌日仕事をしていると、だらしなく見えて「仕事ができない人なのかな?」というイメージを持たれてしまいます。また、ハンガーにかける時は、型崩れを防ぐため、ポケットに入れているスマホや財布、スケジュール帳など重いものは取りだしてください。

スーツのブラッシング

週に1度はスーツのブラッシングをしましょう。繊維の隙間に入った汚れやホコリを取り除きます。ブラッシングをすると生地の痛みやシミを防げます。ブラシをかけると空気が繊維に通るのでふわっとした新品の質感を取り戻す効果も期待できるでしょう。ブラッシングはすぐに効果を感じにくいお手入れですが、2年~3年経つと効果が表れます。丁寧にお手入れされたスーツは、美しく長く着られるでしょう。

パンツのスペアを用意しておく

ビジネススーツはジャケットより、パンツが先に傷みます。日々の通勤やオフィス内で動く時にパンツが擦れてしまうためです。スペアパンツを持っていると、ジャケット一緒に長く愛用できます。スーツをオーダーする時にスペアパンツの購入を検討しましょう。スペアパンツをオーダーする時はタックの数を変えてディティールに変化を着けると、活用シーンを選べて重宝します。スペアパンツと交互に使用することで、傷みを遅らせて清潔感のある状態でスーツを長く着られます。

スーツの種類やトレンドを知り、自分に合ったスーツ選びをしてください。TPOに合わせて着こなすスーツは、清潔感のあるように心がけましょう。購入時や日頃のお手入れなど、長くスーツを着るための意識も大切ですね。